「“これが当たり前”なんておかしい――看護師・介護士が辞めていく現場の叫びと医療体制の崩壊」

こんにちは。アラフィフブロガーで現役看護師のエストです。

最近、新聞やSNS、ニュースでも
「看護師・介護士の離職が止まらない」
「人手不足で病院が回らない」
そんな声を目にする機会が増えてきました。

実際、私のまわりでも
「毎日残業。帰っても眠れない」
「家族のこともあるし、夜勤はしたくない、でも夜勤しないとお給料って上がらないんだよね…」

「夜勤が続くと体調が悪くて辛い…」
「また今日もクレーム対応とか患者さんの暴力・暴言・セクハラに耐えた…でも“それが仕事でしょ”って言われる」
といった声が日常のように聞こえてきます。

私たちは、低賃金の中、命を支える仕事をしてきました。
でも今、その医療・介護の現場が「もう限界」になっています。

このままでは今向かっている少子高齢化の世の中で医療を十分に受けられなくなる可能性も出てきているとおもっています。

今回はどうしてニュース等で

「看護師・介護士の離職が止まらない」
「人手不足で病院が回らない」という内容が取り沙汰されるようになったのか、その原因と現状、今後の改善されるべき対策等についてまとめました。

医療従事者だけの問題ではないです。

医療従事者以外の方もぜひ参考にしてこの問題が続けば自分たちにどのようなことが起こるのか知っていただけたらと思います。

看護体制が現場の実情と合っていない

これは実際私が体験した内容でもあります。

■ 急性期病棟の現場から

急性期病棟では、術後の疼痛や出血、呼吸状態の悪化など、常に“今すぐ”の対応が求められる患者さんがいます。
その患者さんの中に認知症の患者さんが複数名いらっしゃることも多くあります。

・「トイレに行きたい」→トイレ介助やおむつ交換、おむつはずし、ベッド周囲での排泄
・「痛いからなんとかして」→体勢を変えたり、指示された鎮痛剤の使用、包帯の巻き直し等
・「点滴を抜こうとする」→認知症の患者だけではなく、術後せん妄になる方もいて指示がなかなか通りにくいことがある、説明しても理解されない
・「転倒しそうな動き」→急性期は鎮痛剤を使用したり、術後であったりするため、普段のように動くのは困難なのですが、動ける!できる!と思っている場合もあり、安静が守れず自力で動き出す

このような状況から、ナースコールが同時多発的に鳴り響く中、対応するのは看護師2人と介護士1人、それが“普通”という現場が多く存在します。

誰かが対応している間に別の患者がベッドから転落したり点滴が抜かれていたり、外れていたり…
その対応中に別のナースコールが…と問題が同時刻に発生することもしばしば。
“一瞬の遅れが命に関わる”こともあるのに、誰も駆けつけられない現実があるのです。

■ 療養病棟の“見えない重症度”

療養病棟は「安定している患者が多い」と思われがちです。
でも実際は、意思疎通が困難な認知症患者、褥瘡ケアが必要な方、吸引や栄養管理を要する方など、慢性的かつ24時間のケアが必要な患者が大半です。

スタッフは少なく、夜勤は看護師1名と介護士1名で60人の対応なども当たり前。
「ナースコールが鳴ってもすぐに行けない」

また、自分でナースコールが押せない患者も多くいるので巡回は適宜実施し観察、都度対応。

急性期の現場と同じように

誰かが対応している間に別の患者が…
その対応中に別のナースコールが…とやはり同時刻に発生しています。

患者の安全が守れないジレンマと現場の限界

■ 転倒・誤嚥・点滴自己抜去…事故は日常に

・転倒による骨折
・認知症患者のベッド柵乗り越え
・点滴ラインの自己抜去と出血
・食事中の誤嚥

こうした事故が夜勤中に発生しても、すぐに他のスタッフが応援できる体制ではないのが現実です。
結果として、1人が全てを背負い、“あとから来る”報告業務と反省文(インシデントレポート)まで時間外で処理するしかありません。

「もう限界。でも誰も代わりがいない」
「事故を防ぎたいけど、防げない。申し訳ない気持ちでいっぱい」

こうした葛藤を、毎日抱えています。

現場のほとんどが“看護”じゃない!?煩雑な業務の現実

■ 事務作業・調整・説明・記録の山

看護や介護の時間より、
・ナースコール記録
・インシデント報告書
・家族との電話やクレーム対応
・多職種カンファレンス準備
こうした“ケア以外の業務”が勤務時間の半分以上を占めています。

■ ハラスメントはあって当然?という社会の誤解

「文句を言う患者家族」
「無理な要求を繰り返す利用者」
「暴言や暴力を受けても“それも仕事でしょ”と上司に言われる」

現場は、理不尽な扱いを“我慢”することが前提になっているのが現状です。

医療体制の“ひずみ”がこの先にもたらすもの

■ 医療の受け手が増え、支える側がいない

少子高齢化の影響で、今後も患者・介護を必要とする人は増え続けます。
しかし、支える人材は圧倒的に不足。

このままでは、
・入院したくても病床が空いていない
・自宅療養を支える訪問看護が足りない
・施設にも入れず家族が介護離職
という“医療・介護空白”の社会が訪れる可能性があります。

それでも私たちは、命を守りたいから…

■ 現場と制度のギャップを埋めてほしい

・診療報酬制度を実情に合わせて見直す
・夜勤体制の再評価と配置基準の引き上げ
・医療ハラスメントの明文化と法整備
・事務業務の一部外部委託やAI化などの推進

“根性と責任感”だけでは、命は守れません。

■ 「感謝」より「改善」を

ありがとう、頑張ってるね——それだけでは私たちは守れません。

ニュースで
必要なのは、待遇・仕組み・意識の改善です。
それができなければ、きっとこの国の医療はこのまま崩壊の一途を辿るのではないかと思っています。

まとめ

医療・介護の現場は、もう限界に近いです。
患者さんや入居者さんに看護、介護を提供したい。

でもそれが十分に提供できない現実。
辞める人は責めるより、支える仕組みを整えることが本質的な対策だと思います。

なかなか届かなかった医療従事者の声、叫びが、ようやく社会問題として大体的に扱われるようになってきました。
“現場の悲鳴”はなかなか伝わりにくいものです。

今回のブログで今起こっている医療現場の生の声を届けられたら嬉しいです。

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